おばあちゃん

母に聞いたら

私が生まれた頃は

産前産後6週間が

産休として休める期間だったらしいです。

なので

母は産休後すぐに職場復帰

育児は祖母がしました。

おばあちゃん

どうやって私を育てましたか？

ミルクをたくさん飲みましたか？

泣いたときはおんぶしながら洗い物をしたのですか？

おんぶしながら冷たい川で汚れたオムツをあらってたのですか？

昼間はよく寝ましたか？

たくさん抱っこしてもらったんだろうな。

たくさんあやしてもらったんだろうな。

よく泣いたかもしれないな。

少し大きくなったら

夜はむしとりに連れて行ってもらいました。

電柱に集まるカブトムシやクワガタをとりました。

ホタルもたくさんとりました。

カゴの中に入ったホタルはしばらくして死んでしまうことがわかりました。

ホタルの匂いを今も覚えています。

ゆっくり歩きながら星も眺めました。

怒られると

ときどき押入れに入れられました。

出してほしいと泣きました。

何をしたかなんて覚えていません。

夜に公民館へ連れて行ってもらいました。

本が借りれるのです。

おばあちゃんが寝る前に本を読んでいたので

私も同じように読みました。

本が大好きでした。

おばあちゃんの自転車の後ろにのってふきつみに行きました。

ゼンマイもとりました。

ふきのとうもとりました。

どんなのがふきで、どんなのがゼンマイで、どんなのがふきのとうか、全部教えてもらいました。

この山はうちの山やと教えてくれました。

山を持ってるのに、小さい古い家に住んでる意味がわかりませんでした。

帰り道に木になってるアケビを見つけてとってくれました。

甘いけど、タネだらけでした。

ときどきザクロを買ってくれて食べました。

びわも食べました。

向かいのうちのグミの実は食べていいと言われて食べました。

近所の小さなスーパーで

一回に買っていいお菓子はひとつだけだと言われました。

一個しか買えないのですごくすごく悩んで決めていました。

少し遠くのスーパーに行くときは

バスがやってきました。

けたたましい演歌が聞こえてきたら

バスに乗ります。

ちょっと遠出するみたいで楽しかったです。

もう少し遠くのデパートに行くときは

ちゃんとしたバスに乗りました。

そこで食べるラーメンはとても美味しくて今でも大好きな味です。

ごはんは残したらいけません。

もう食べられないときは

おばあちゃんが自分の歯でたくわんを噛みちぎって小さくして

ごはんの中にいれました。

上からお茶をかけてお茶漬けです。

これで流し込んでしまえば、残さないで済みました。

いろんなことを教えてくれたんだ。

いろんなところに連れて行ってくれたんだ。

おばあちゃん

また話がしたいです。